t/rim design

倉敷の建築設計事務所トリムデザインのブログ
パトリック・モディアノ

"お正月休みに読んだ"・・2冊。

"現代フランスの最も偉大な作家"とよばれるパトリック・モディアノ・・2014年のノーベル文学賞受賞者。モディアノ作品の感想を一言で書くと「淡々とした抑制の効いた平易さの中の不在感と喪失感」。読み進めても、物語全体には捉えどころがなく・・リアリティも希薄、全体がぼんやりと霞んだまま・・時間と記憶、不在と喪失を巡る・・感情移入がなかなか難しい物語。

 

倉敷 建築設計 パトリック・モディアノ

 

Dans le café de la jeunesse perdue (失われた時のカフェで) 」・・パリ左岸のカフェに現れる謎の女性"ルキ"について・・彼女に魅了された複数の語り手によって、"繰り返し"語られる"不在の記憶"・・各章ごとに、それぞれ異なる語り手で語られる物語を通して感じられるのは・・"悲しみと喪失感"・・翻訳の良し悪しを述べる知識はありませんが、翻訳者によって作品の印象というのは、全く異なるんだろうなと思わせる翻訳・・読書後の達成感(満足感)があまりなかった物語。

 

Livret de famille (家族手帳) 」・・"生きるとは、ひたすらに記憶を完成しようとすること"。アイデンティの欠落、不確かな記憶の積み重ね、脅迫的なイメージとしての負の歴史・・モディアノ作品において大きな位置を占める自らの出自・・占領下の時代を生き抜いたユダヤ人である両親の記憶・・自伝的要素が強い15章からなる物語。

 

「人間の捉えがたい運命を呼び覚まし、ナチス占領下の社会を明らかにした〈記憶の芸術〉」とは、ノーベル文学賞から送られた受賞理由の言葉。

0
    | わたしの本棚 | 10:54 | comments(0) | - | - | - |
    Micro Bike

    90年代初め、スウェーデン生まれの自転車・・Micro Bike

    micro bike sweden 折りたたみ自転車 スウェーデン マイクロバイク 倉敷 設計事務所

    2005年の引っ越し以来、13年倉庫にしまったままでした・・自宅も事務所も大阪市内だった頃は、大活躍だった自転車。その理由は・・「たたむのも、開くのも、わずか3秒!!! という、そのトランスフォームの速さ・簡易性

     

    micro bike   sweden   折りたたみ自転車 スウェーデン マイクロバイク 倉敷 設計事務所

    水平に伸びる「上下アルミ角パイプ」がポイント・・

    micro bike   sweden   折りたたみ自転車 スウェーデン マイクロバイク 倉敷 設計事務所

    上下のアルミ角パイプが「くの字」に折れる訳ですが・・

    micro bike   sweden   折りたたみ自転車 スウェーデン マイクロバイク 倉敷 設計事務所

    折れ方がポイント。「前後の軸がずれる様な形」で折りたたまれます・・

    micro bike sweden 折りたたみ自転車 スウェーデン マイクロバイク 倉敷 設計事務所

    「前後の軸をずらして」アルミ角パイプが「斜めになった状態で折りたたまれる」・・という機構が、3秒という速さコンパクトさを生み出しています。

     

    動画サイトで珍しいもの(発売当時のCM)を発見!!! 購入してから20年以上経ってはいるが・・丈夫な造りの自転車で、状態は良いし、デザインもgoodなので・・・暇が出来たら、少し整備して、また乗ってみようと計画中。

     

    0
      | わたしの本棚 | 14:09 | comments(0) | - | - | - |
      カズオ・イシグロ

      "正月休みに読もう"・・と、買っていた2冊。
      イシグロカズオ 倉敷 建築設計事務室 岡山

       

      「A Pale View of Hills (遠い山なみの光) 」・・遠い夏、戦後まもない長崎で出会った"あの母娘"がそうであった様に・・僅かな光を薄闇のなか探し求める様に生きてきた主人公が、半生を思い返すかたちで"日本の記憶"を語る・・カズオイシグロのデビュー長篇。作品全体を覆うイシグロ作品の空気感と小津安二郎の映像を思い起こさせる日本的雰囲気が・・印象的な作品でした。

       

      「Never Let Me Go (わたしを離さないで) 」・・幼い頃から一緒に育った親友たちとの日々に思いを馳せながら・・夢見ていた僅かな希望が絶たれ、残酷で不条理な現実を"提供者"として、ただ受け入れるしかなく・・全てのものを奪われながらも、限られた人生を"記憶を支えに"・・生きる主人公達の姿が忘れられない、精緻な描写で描かれるノスタルジックなSF作品、カズオイシグロの代表作。

       

      「Never・・」を読んでいる途中からずっと・・雨のなか白い鳩を抱いて逝ってしまった、あのレプリカントの美しい姿を思い出さずにはいられませんでした・・フィクションだからこそ伝わる真実/心情・・小説力について再認識。

       

      0
        | わたしの本棚 | 15:48 | comments(0) | - | - | - |
        前川國男の本。

        JUGEMテーマ:アート・デザイン

        建築家 前川國男 ル・コルビュジエ倉敷 岡山 設計事務所

        国立西洋美術館」の世界遺産入りで・・何かと話題の近代建築。世界の近代建築の巨匠は確かにル・コルビュジエですが、日本の近代建築の巨匠といえば、この人以外にいない "前川國男"・・今週のt/rim designは、8月3日より始まる、今年で3回目となる「建築家のしごと展」に向けて、いろいろと準備中・・

        0
          | わたしの本棚 | 10:01 | comments(0) | - | - | - |
          「桂離宮」

          JUGEMテーマ:アート・デザイン

          わたしの本棚 ブルーノ・タウト 桂離宮 倉敷の建築設計
          お気に入りの本、ブルーノ・タウトの「桂離宮」・・"永遠なるもの" や "日本建築の世界的奇蹟" など8つの小論。桂離宮や伊勢神宮、孤篷庵や日光などの探訪日記。そして”桂離宮の回想” と題された書帖・・タウトの建築探訪 - 絵日記!!!

          「DA DENKT DASAUGE」 (ここでは眼が思惟する) との言葉と共に27枚の書帖は始まり・・探訪ルートの順のまま、筆による言葉と絵で、探訪が回想される。タウトの感動を、タウトの言葉&筆画という低解像度の情報で・・再トレースするという。アナログな感じがとても楽しい本

          0
            | わたしの本棚 | 10:15 | comments(0) | - | - | - |
            ノベルティ・・
            岡山県庁舎 備前焼ノベルティ 岡山 設計事務所
            今日・・現調(これから計画する建物や計画地の現場調査)に伺わせて頂いた際・・作業中、Oさん宅の物置倉庫の中で発見したもの・・一目見た瞬間「オモシロイ!!」・・これが何の焼き物か分かりますか?  答えはこちら。

            岡山県庁舎 備前焼ノベルティ 岡山 設計事務所
            再現された屋上の造形は・・師匠であるル・コルビュジエを思わせる?・・

            岡山県庁舎 備前焼ノベルティ 岡山の設計事務所
            裏面には「昭和三十二年三月十九日、新県庁舎落成記念」・・これは関係者向けのノベルティなんだろうか? (岡山県だけに備前焼!!)  
            Oさんから「いいですよ、持って帰って下さい。」と・・ありがとうございます、Oさん!!  嬉しいです!!

            フィンランディアホール ノベルティ 岡山の設計事務所
            こちらは「アアルト自邸」に置かれていた焼き物・・銀行のお客様向けのノベルティ(貯金箱)です。そのモデルとなっている建物は、分かりますか?・・かなり大胆な(オモシロイくらいの・・)デフォルメがされていますが・・答えはこちらで間違いないとは思いますが・・ 
             
            0
              | わたしの本棚 | 22:19 | comments(0) | - | - | - |
              「最高に凄かった。最高に光っていた。岡崎京子の作品、・・」
              岡崎京子 展覧会 倉敷の設計事務所トリムデザイン
              「岡崎京子展」を訪れる。もちろん "初の大規模展覧会"。岡崎さんは1985年に21才で初の単行本を刊行され、以降も次々と秀作を発表・・1996年に休筆されるまでの間、今なお忘れられない心に残る・・数々のきら星の様な作品を、鮮やかな感性で描かれました。

              岡崎京子 展覧会 倉敷の設計事務所トリムデザイン
              岡崎さんの作品には・・80年代から90年代へと移る、様々な事物や人が次々と消費され崩壊してゆく様な混沌としていた時代の・・あの空気感の明暗が見事に映し出されていた様な気がします。表面を覆っている "明朗快活" さと、その根底に在る "どうしようもなさ" がアンビバレントに存在していた心の機微・・ドライでもありエキセントリックでもあり曖昧でもある・・"ふつう"。そんな自分達の心情を映し出した様な・・登場人物たちの物語を思い出すと、今も心に響きます。

              岡崎京子 世田谷文学館
              建築&デザイン関係の本ばかりが並ぶ事務所の書棚ですが・・ W.ギブスン、P.K.ディック、H.Murakamiと共にマイフェイバリットなコーナーには岡崎さんの作品が24タイトル。カラックスやヴェンダースやYMOと共に・・10年経っても20年経っても、マイフェイバリットなヒーローの作品は・・心の棚から消える事はありません・・いつもいつまでも一緒・・ですよね。

              岡崎京子 展覧会 倉敷の設計事務所トリムデザイン
              デザイナー祖父江慎さんによる会場構成のアートディレクションも素晴らしく。原画をはじめ、学生時代の作品から関連映画の物まで岡崎ワールドに・・ゆっくりと浸れました。(館内の図書室にもプチ展示コーナーが在りました)

              (上写真) 会場出口に掲げられていた・・岡崎さんの言葉に感動。
              展覧会は世田谷文学館で、3月31日まで。



               
              0
                | わたしの本棚 | 09:52 | comments(0) | - | - | - |
                mi stan smith
                マイスタンスミス 倉敷 設計

                スニーカーを買いました。スニーカーの名作であり、おなじみの定番 (my定番でもあります)、アディダスの "スタンスミス" なんですが・・ これはアディダスのカスタマイズサービス「mi adidas」を利用して購入しました。

                「世界に一足、自分だけのスタンスミスを作れる!」という宣伝文句に誘われ・・革の素材からはじめ、アッパー、ソール、ロゴプリント、シューレース、ステッチなどの色を、3次元で確認しながら・・自分好みで選んでいくと・・自分だけのスタンスミスが完成!!  

                ロゴプリント以外すべて黒なので、面白みが全然ないのですが・・本人的には大満足 楽しい楽しい楽しい 。中敷きには好きな文字が入れられるので「TRIM DESIGN」と入れてみました・・ これで他人の靴を間違って履いてしまう事はない?
                0
                  | わたしの本棚 | 15:19 | comments(0) | - | - | - |
                  YMO
                  YMO  紙ジャケット 倉敷の設計事務所
                  YMOの紙ジャケットCDを 大人買い!!  ・・US版を含むオリジナルアルバム8枚、ライブアルバム2枚・・計10枚。
                  言うまでもありませんがYMOとは・・細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏の3人により1978年に結成され、1983年に散開した・・テクノ&ニューウェイブ音楽のグループで・・シンセサイザーとコンピュータを駆使した音楽で、日本だけでなくワールドワイドにも大活躍。
                  テクノカット 赤い人民服 で・・メンバー3人とマネキン2体が雀卓を囲んだジャケット「SORID STATE SURVIVOR ('79)」のインパクト(上写真 左下)は・・まだ何も分からない小学生にとって、音楽だけでなく・・そのビジュアルも強烈でした・・とにかくカッコイイ!!

                  YMO  紙ジャケット 倉敷の設計事務所
                  CDなので・・大きさ的には、レコードジャケットの様な迫力はありませんが (曲間にラジオコントが入るユニークな3rd アルバム「増殖 ('80)」)・・ディスクにはレコード盤の感じがきちんと再現されていて・・goodです。
                  0
                    | わたしの本棚 | 15:09 | comments(1) | - | - | - |
                    村上春樹 3
                    岡山 建築 村上春樹 1973年のピンボール
                    見知らぬ土地の話を聞くのが病的に好きだった。
                    一時期、十年も昔のことだが、・・


                    村上春樹さんの2作目・・ 基本的には前作の続編。主人公の"僕"、友人の"鼠"、ジェイズ・バーの"ジェイ"、"女の子"・・登場人物もほぼ同じ。前作で(1970年夏)大学生だった21才の"僕"、3年後(1973年秋)大学を出て東京で翻訳事務所を始めている。物語はまず1969年の春・・大学での"直子"との出会いと、1973年春に直子(恋人であったが今はもう死んでしまった)の故郷を訪れた話・・から始まる。

                    これは「僕」の話であるとともに鼠と呼ばれる男の話でもある。その秋、「僕」たちは七百キロも離れた街に住んでいた。
                    一九七三年九月、この小説はそこから始まる。それが入口だ。出口があればいいと思う。もしなければ、文章を書く意味なんて何もない。


                    東京で順調に翻訳事務所をしながら、ただ一人深いプールの底にすわりつづけ・・ るようにモラトリアムな感じで暮らしている"僕"と・・東京から700キロ離れた"僕"の故郷でもある街でモヤモヤを抱えて、暮らしている"鼠"の・・エピソードが交互に語られる。今回の物語では、"僕"と"鼠"は話す事も、会う事もない・・物語の大半は、"僕"が住んでいる部屋に転がり込んで来た「双子の女の子」、「配電盤」、「ピンボールマシーン」・・

                    「殆んど誰とも友だちになんかなれない。」それが僕の一九七〇年代におけるライフ・スタイルであった。ドストエフスキーが予言し、僕が固めた。

                    僕に向かって何かを語ろうとする人間なんてもう誰ひとりいなかったし、少くとも僕が語ってほしいと思っていることを誰ひとりとして語ってはくれなかった。


                    メインは作品のタイトルである事からもして「ピンボールマシーン」について・・日本には3台しか輸入されていない 「シカゴのギルバート&サンズ社の1968年のモデル、"悲運の台"としても知られる・・スリーフリッパーのスペースシップ」というピンボールの機種を探し求める話。

                    しかし勿論ピンボールマシーンは何かについての比喩なんでしょうが・・物語の多くは、この「ピンボールマシーン」(あるいは「配電盤」も含めて) という機械についてのエピソードや会話・・

                    彼女は素晴しかった。3フリッパーのスペースシップ・・、僕だけが彼女を理解し、彼女だけが僕を理解した。

                    あなたのせいじゃない、と彼女は言った。


                    終ったのよ、何もかも、と彼女は言う。

                    前作よりも、「僕と鼠」は "どうしようも無い" 感が一杯になってきていて・・ 前作ではそんなものの影が「僕と鼠」の軽妙な会話と若さの勢いで・・ある程度は緩和されていた。しかし今回は物語全体に"勢い"がない・・前作の設定では「僕と鼠」は2人とも大学生くらいで、若さが"疾走"していました・・そんな2人も社会人の年齢・・700キロと離れ、コミュニュケーショもなく、それぞれの場所で苦闘している。

                    主人公である「”僕”の現実に対する距離感」の取り方は・・前作に続き、あいかわらず微妙な感じで (基本的には諦観したフラットな心境とシンプルなライフスタイル・・出てくるセリフや姿勢には、常に気負いがない・・そしていつもどこかに陰がチラついていて・・でも何とか少しでも前進しようとしている) ・・そこが"80年代的" でやけに心に響くんでしょうか?

                    「ねえジェイ、人間はみんな腐っていく。そうだろ?」

                    「ねえジェイ、俺は二十五年生きてきて、何ひとつ身につけなかったような気がするんだ。」

                    「あたしは四十五年かけてひとつのことしかわからなかったよ・・」


                    「僕と鼠」の調子だけでなく、たんたんと交互に展開していく"それぞれの世界"という構成方法、2人の会話レス、文体の調子・・すべてが全体的に前作より落ち着いている感じ・・まさしく前作が夏で、今作は秋。エンディングもなんとなく終わった前作に対して・・

                    "僕"は・・探し求めていたピンボールマシーンと再会&決別。
                    悩み続けていた"鼠"は・・女とジェイと街、全てに別れ。


                    今回のエンディングではある程度はっきりして物語は終わり・・”鼠3部作"の最後となる・・村上ワールドの大きな転機ともなる、次作へと続く。
                    0
                      | わたしの本棚 | 09:51 | comments(0) | - | - | - |
                         1234
                      567891011
                      12131415161718
                      19202122232425
                      262728293031 
                      << May 2019 >>
                      + PROFILE
                      + LINKS
                      岡山県倉敷市の日本郷土玩具館 岡山県倉敷市の一級建築士事務所トリムデザイン
                      + CATEGORIES
                      + SELECTED ENTRIES
                      + RECENT COMMENTS
                      + MOBILE
                      qrcode
                      + ARCHIVES
                      + OTHERS
                      このページの先頭へ